献奏には沢山の想いを込めて

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献奏とは

こんにちは、セレモニー演奏コーディネーター協会、上級認定講師小澤です。
突然ですが、皆さんは献奏(けんそう)という言葉、聞いた事ありますか?

生演奏が入ると、セレモニーの式次第の中で、【献奏】という演出があります。
「献上する、奏でる」と書き、字の通り音楽を奏で故人様に献げるという意味合いがあります。

メインの演出

「献奏」という場面は、故人様が一番お好きだった曲や、ご遺族から故人様に贈りたい一曲を式次第に入れて、皆さんで故人様を偲んでお聴き頂くという、セレモニー演奏の中ではメインの演出となります。

式場の照明が暗くなり、司会の方のナレーションが入り、さぁ本番です。
セレモニー演奏を始めたばかりの頃は、それはそれは緊張して、足がガクガク震えてしまったり、必死でその曲を練習した事を思い出します。
しかし、故人様との数々の思い出が音楽と共に甦り、故人様と共に聴いていただくこの時間は、ご遺族にとっても会葬者の方にとっても感慨深い一時となり、私達演奏者にとっても何よりもやりがいのある瞬間でもあります。
その曲を聴いて、故人様を思い出し泣いて下さったり、一緒に口ずさんで下さったり、楽器を趣味でやられていた故人様の場合はそのお仲間が一緒に合奏して下さったり・・・。
献奏は、葬儀場にいる方達にとって忘れられないセレモニー演出になっているに違いありません。

献奏の演奏法

私が今でもとても思い出に残っているお式の一つに、故人様が大きな船の船長さんだったというご葬儀がありました。
式場には、故人様の生前のお写真や、制服、お乗りになっていた船の模型などが、博物館のように沢山飾ってありました。
それを見ながら喪主様が私に「本当に船と海が大好きだったのよ。」と、話して下さいました。
献奏曲は、『いい日旅立ち』
私は、「故人様が、いつも乗っていた大好きな船で大海原へ出航出来ますように」という思いを込め、船の汽笛の音を波の音と共に流し、「いい日旅立ち」のイントロを弾き始める事にしました。
曲も終わり、最後にまた汽笛を鳴らし、波の音を流しながらフェイドアウト…。

その後すぐの親族代表のご挨拶で喪主様が、「今日は、故人のいい日旅立ちになりました。
この曲を聴いて、故人も心置きなく海へ出航出来たと思います。」と言って下さいました。
私も心を込めて演奏させて頂いたので、そのお言葉は、とても嬉しかったです。

ただお好きだった曲を弾くだけではなく、色々な演出が出来るのも、シンセサイザーの大きな特長です。
そして、楽器の特長を生かし色々なアレンジが出来るのも、この仕事の醍醐味でもあります。

以前には、沖縄出身のおばあちゃんのご葬儀の献奏「ふるさと」を三線の音で、沖縄音階を使ったふるさとにアレンジした事もあります。

次回も引き続き、思い出に残る献奏のエピソードについてお話ししていきたいと思います。
お楽しみにしていて下さい。

毎日が勉強

こんにちは、佐川です。
「献奏」については、私は毎回色々な意味で悩みます。

「献奏」は、ほとんどがリクエスト曲ですが、奏者に任せられる場合もあります。
そんな時は、亡くなった方の年齢や性別、喪主様の年代などを考えて3曲ぐらい用意していきます。
そして会場についてからその場の雰囲気をとらえ、司会者と打ち合わせをし曲を決めます。
実際に3曲ぐらい用意しても、打ち合わせでイメージが合わない時は、全く違った曲などになる時もあります。
奏者にとっても一番緊張する献奏曲が、直前に決まるドキドキ感は、いつになっても慣れませんね。

また、どんな感じで「献奏」を弾くかとしっかり考えて曲を仕上げても、実際に会場で開式前に音出ししてみると、思っていた感じよりピアノの音色が硬い感じがしたりと…。
その式の会場の大きさ、人の多さ、部屋の温度によって、同じシンセサイザーのピアノの音色でも全く響きが違ったりします。
自分の演奏がとても上手に聴こえたり、またその逆だったり、本当に何年仕事をしても毎日が勉強で、とても奥の深い仕事だと思います。

投稿者: 鈴木恵

初めまして、鈴木恵と申します。 ピアノやエレクトーンの技術を眠らせている皆様に活躍の場を提供すると共に、認知度の低いセレモニー演奏を世の中の方にもっと知って頂きたいと思い活動しております。

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